突然妻は姿を消す。夫はあるはずもない妻殺しの証拠に追い詰められていく。そして、次第に事件の真相と妻の足跡が明らかになっていく。
映画ってのは、ストーリーっていうのはこういうものだ！という興奮を与えてくれる傑作だった。
このお話はこうなっていくだろうという予想通りに流れていく心地良さ、そして終着駅も見えたかと思いきや路線は切り替わり、想像を越えた先に連れて行く。
この映画はただのミステリーには終わらない。結婚とは、人間関係とは何か。人は期待されたイメージや役割を演じるべきなのか。期待された役割を演じ、敷かれた路線通りに人生を進め、期待されたストーリーを紡いでいくことには利点もあるが、危険も孕む。演じている者も、演じさせている者も、何を考えているのかわからない他者なのだから。
