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ゴーン・ガールのZELのレビュー・感想・評価

ゴーン・ガール(2014年製作の映画)
3.9
もしエイミーを本人の希望通りリースウィザースプーンが演じていたら、ここまでの評価になっていなかったかもしれない。

ハリウッドを代表する堅物フィルムメイカー、デヴィッドフィンチャーによる実写化。この映画のキーとなるのは彼とロザムンドパイクである。

まずフィンチャーから。
この男はなんなんだ。どうしてこうも惹きつけられる画面作りが上手いのか。
ソーシャルネットワークを彷彿させる、少し暗めの雰囲気に特化した映像美。ワンシーン平均50テイクという妥協を許さない、映画を撮るために生まれてきたような天才であり努力家。だからこそフィンチャーは新作まで時間がかかるのだと納得する。これはPTAにも通ずるとこか。

そしてロザムンドパイク。
ごめんなさい、ゴーンガールを観て名前を覚えました。それまではボンドガールの人のイメージしかなかった。あとは唯一ワールズエンドが印象的だったくらい。顔しか知らず覚えようとも思わなかった。ここに謝罪。
この映画をワンランク押し上げたのは間違いない。あの不思議な魅力はなんなの。
もちろんフィンチャーの演出も加わってのことだろうが完璧にエイミーを演じ切った。

ここで冒頭話したリースウィザースプーンに戻る。ゴーンガールを映画化しようと頑張ってきた彼女は当初自らエイミーを演じるつもりだった。だが監督に内定したフィンチャーの一言で一変。監督からまさかのエイミーは君じゃない発言。だがフィンチャーのゴーンガールを映画化するにあたっての考えやイメージを聞き、納得してエイミー役から退き、プロデューサー業に集中した。素晴らしい。それにしてもフィンチャーの洞察力、鑑識眼は凄すぎる。
ほんとにロザムンドパイクで正解でしたね。

オスカーでは主演女優賞のみノミネート。
ちと不満。脚色、作曲くらいはノミネートされてよかったのでは。作品賞は当落線上と言われる中で候補漏れ。

でもでも素晴らしい映画なのは変わらない。ベンアフレックについて触れてないって?ノーコメントで。
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