福本麻紀子

天才スピヴェットの福本麻紀子のネタバレレビュー・内容・結末

天才スピヴェット(2013年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

原題はT.S.SPIVET。章の切り替わり画面がものすごくかわいい。飛び出す絵本仕立てになっていた。
主人公は科学者さながらの天才発明家。
弟は銃の名手。その相棒のワンちゃん「タピオカ」
父は産まれる時代を間違えたカウボーイ。
母は虫の事ばかり考えている昆虫博士。
そして姉は女優を目指す女子高生。
みんながみんな、奔放過ぎてどうなる事かと思ったけど、どうやら10歳の主人公T.S.スピヴェットが、「永久運動機関」に興味を持ち、発明した「磁気車輪」が、スミソニアン学術協会の最優秀賞である、ベアード賞を受賞したところから、物語は動き出す。
初めはベアード賞の授賞式には出ないと言って(授賞者は父であり、忙しくて行けないと言う)いたが、授賞式に行くことに。
家出のように明け方に出発、1日に3本しかない貨物列車に忍び込み、都会まで長い旅をする。
全くもって親目線で、ハラハラしながら見てしまうところだが、楽しかったのが、いちいちT.S.が論理的に考えるところ。
そのたびに画面に図解が現れ、説明をしてくれる。
なんとか辿り着いたスミソニアン学術協会で、実は自分の発明である事を説明し、理解を得る。
そこで授賞式でのスピーチをする事になる。
T.Sは、授賞のお礼と、発明についてを話したのち、弟の話をし始める。
彼は二卵性の双子の弟レイトンが、カウボーイかぶれの父に気に入られていた事に、特に恨みがあった訳ではなかったが、根本的な考え方が違うためなかなか打ち解けられずにいた。
ある日、銃の練習をする彼の横で、銃の音波を分析することで一緒に遊べると思い、実際にやっていた。
しかしレイトンの銃が暴発し、レイトンは不慮の事故で亡くなってしまう。
T.Sは自分を責め、父も母も会話が減ってしまった事をとても気にしていたと、涙ながらに話した。

しかしスミソニアン学術協会の大人は、10歳の子どもが天才的な発明をし、泣けるエピソードを持っていた事をネタにマスコミにふりまわす。
テレビのインタビュー番組にも出され、インタビューを受けるが、番組の思惑通りの回答しかさせてもらない。
すべてスミソニアン学術協会のイメージアップのためである。
しかし。そこへ昆虫博士の母が現れる。
そして、言いたい事を言い、T.Sを連れて番組を去る。
返したくない番組側は言う。
どこに帰るというの?
すると、いつの間にか来ていた父が司会者を殴り
「牧場だよ」と言い放つ。
かっこよかったね〜。
最後にはお母さんはお腹が大きくて、
産まれた後は、T.Sが発明した磁気車輪でずっとゆりかごが揺れていました。
あったかい気持ちで終わることができました。
銃が暴発して亡くなった弟のレイトン、銃を子どもに与えた父親、家事より昆虫に中な母親、田舎暮らしに嫌気をさしている姉、
それぞれに、それぞれの思いがあります。
母は日記をつけていました。
レイトンが亡くなって、時が止まってしまったと、言ってもいました。
でもみんながとても仲良くて暖かい。

楽しくて綺麗な映像でしたが、どこか今時の社会問題を訴えているような、そんな映画でした。