Melko

リトルプリンス 星の王子さまと私のMelkoのレビュー・感想・評価

3.8
はああ…こんな子供の見るもので泣くなんて、わたし疲れてんのかなあ…
いや、素晴らしかった。美しい。美しい映画。

ちょいと早めの帰宅からの映画。

昨日落ち込む映画を見たから、爽やかになれる映画が見たくてレンタル。
実は随分前から気になってたけど、公開当時は見れず、やっと。

さすがフランス、ウィットに富まくった内容に軽快でオシャレな音楽が心地よく、滑らかなCG映像とほっこり温まるストップモーションの合わせ技で、一気に見れた。
わたしが好きなストップモーション絵。
後半、絵のトーンが変わってからの中だるみは少しあったけど、気にならない。

「大人になることは問題じゃない、問題は、忘れること」
大人になるって、なんだろう…
ガッチガチに決められたタイムスケジュールの中で、ひたすら次から次へタスクをこなす子供の滑稽さ。
生きること、感じること、喜び、悲しみを教えてくれるのは、
物だけ送ってくる父親でもなく、「あなたのため」と言いながら鬼のように厳しい母親でもなく、ヘンテコだけど笑顔溢れる隣人。

家族の誰だったか親戚か、漫画ではなく「星の王子様」をお土産にもらった。実家にあるけど、ちゃんと読んだことって、あったっけ…書いてある言葉は簡単なんだけど、内容が子供には難しいんだよね。哲学的で。わたしは最初の「帽子に見えるウワバミ」で早々に離脱。笑
知ってる名言も多いけど、それは大人にならないと良さがわからない。
そう思うと、この映画はとても良い入門編。将来子供ができたら、何ヶ月かに一回とか、見てもらって、少しずつ内容を噛み砕いていってほしいな。
最初は絵を楽しむだけで良い。何気に声優もむちゃくちゃ豪華だからそれを楽しむでも良い。

でも、いつの日か、大人になりきる前に、一度この作品を見て感想を言い合いたい。
風を感じること、花の綺麗さ、朝日の美しさ、大人になるってどういうことなのか、そして、どんな大人になりたいか。
「essential」それももちろんそうだけど、それだけではない気がする。
人それぞれ感性は違うから。

子供の時のワクワクした気持ち、大切にしていた物、思い出、それを気に留めなくなったら、ある意味で「大人」になってしまう。
でも、それは思い出すことができる。忘れなければ。

心に残った言葉
It is only with a heart, that one can see right thing.
Melko

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