Uえい

世界で一番悲しい音楽のUえいのレビュー・感想・評価

世界で一番悲しい音楽(2003年製作の映画)
3.5
ありがとうフィルメックス。ガイ・マディンの映画が見れるとは!ガイ・マディンはカナダの監督で、2004年のフィルメックスで特集されてから上映に繋がっていないようだ。最近だとアリ・アスター監督が参照していたりと話題になっても良さそうだけど。

舞台は1930年代のカナダで、世界恐慌の影響が残る時代だ。そんな中ビール会社オーナーのヘレンはPRのため「世界で一番悲しい音楽コンテスト」を開き2万5000ドルの賞金を用意した。そして世界各国から選手たちが集まり、前代未聞の大会が開かれるーー。

基本的には白黒だが、赤や青の単色だったり、カラーだったりする。画面の周囲はボケていたりと凄く特徴的で、近視的な没入感のようなものを感じる。上映後の解説で柳下さんが監督にインタビューしたところ夢を再現したと言っていたらしく、なるほどと思った。

ストーリーはコンテストに加えて二つの三角関係が描かれる。一つ目は、大会を主催するヘレンとアメリカ代表のチェスターという元恋人同士、さらにチェスター父はヘレンに恋をしているというもの。二つ目はチェスターの恋人が、チェスターの弟の元妻というものだ。コンテストに並行してこの三角関係のもつれが描かれ、かなりパーソナルなものになってきて笑えた。

本当に唯一無二の作風だ。他の作品も見たい!
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