南森まち

フランシス・ハの南森まちのレビュー・感想・評価

フランシス・ハ(2012年製作の映画)
3.3
現代NYが舞台。親友と同居中の27歳のダンスの練習生は、芸術家気取りで夢を語り、自堕落な生活を送るのだが…というお話。

スベリ芸のような会話を、モノクロの映像とオシャレな街並みとオールディーズのナンバーで味付けした、雰囲気だけの映画…と思っていたが、会話のテンポが良く意外と楽しめた。

憧れの大都会に上京し、虚飾にまみれた享楽的な青春を過ごして若さを浪費する田舎者たち。やがて彼らの大きな夢は破れ、現実的なところに着地する。
プライドを捨てた事を示すラストが良かったが、個人的にはもっとボロボロになってほしかったと思う。このあたりがアメリカ映画はプラス思考だね。

つまるところ昔からよくあるテーマの映画で、「私もあんなオイタしたことがあったわねぇ…」とオッさんオバさんがノスタルジーに浸る作品で、新しいものはない。
悲哀に満ちているのにどこか笑えてしまう、短くまとまった映画だった。しかしこれだけの内容なら、82分は長いかなぁ。
会話もテンポはいいが、何も心に残らないし。

NYも東京もパリもこんな人多いんだろうなあ…。