OASIS

監視者たちのOASISのレビュー・感想・評価

監視者たち(2013年製作の映画)
3.6
警察の特殊犯罪課の監視班に配属された鋭い観察力を持つ新人刑事が、班長の指導のもと凶悪な強盗犯たちを追い詰めていくという話。

香港映画「天使の眼、野獣の街」の韓国リメイク。
コードネームはイカやタコといった食べ物からハヤブサや毒蛇などスタイリッシュなものになり、娯楽要素が増えてド派手になっていた。
冒頭〜タイトルまでの流れは一級品。

特に、チョン・ウソンの冷酷で非情な強盗団のリーダーのアクションのキレが凄くて見せ場も増えた分、より強盗団側が魅力的に映る。
ソル・ギョング演じる班長の、抜けている様に見えて部下想いの熱い男というキャラも絶品。
コードネーム「リス」を演じた人がアイドルグループの人らしくおかげで劇場が超満員だったのだけど、彼目当ての人は目を覆いたくなる様な結末を迎えてしまうのでご愁傷さまといった感じだった(後ろの女子高生二人組から悲鳴が聞こえた気がした)。

監視カメラからの映像を意識したアングルやよりハイテクになり分かり易く可視化された監視装置のビジュアル、主人公が頭の中の記憶を探り犯人の足跡を辿っていく演出、そしてリーダーとの攻防など色々な見せ場がブラッシュアップされていて迫力も増していたし、良リメイクだと思いました。
天使の眼〜ではそのあっけなさに納得できなかったボスとの直接対決も、ソル・ギョングの「イカれたもん勝ちだぜ」というセリフの格好良さに痺れたし、締め方もこちらの方が圧倒的に好み。
ただ、犯人達の目的以外は殆ど変わりばえが無いので元を観ていれば新鮮味が薄れてしまうのはしょうがないと思います。

犯人側がクローズアップされている分ランタイムが20分程長くなっていたが、緊迫感溢れる音楽と演出でそれ程気にはならなかった。
こじんまりしたイメージの元ネタからアイデアを引き継いで上手く韓国映画風に仕立て上げていたと思います。

ラストに出てきたとある人物はリメイク元を観ている人の為のサービスかな?驚いた。

@シネマート心斎橋
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