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ビョークの『ネズの木』〜グリム童話よりのRIOのレビュー・感想・評価

3.8
ビョークが草の上に置かれた透明のガラスケースに眠っている

男の子の母親は鳥だった 人間とは生きていくことは出来ないから鳥の国へ戻っていった

鳥に心臓が結びつけられて男の子は寂しがって泣いていた
その声を聞いた母親は慰めようと舞い降りた
一緒においで
体から羽毛が生えて
指は翼となり心も鳥となった

ヨセフを追い込んで指を切って口にいれて唇を縫うなんてこと 魔女怖い

ビョークが男の子の想いを歌った
見上げる空は暗く重いまま
「僕の母さん僕を殺した 僕の父さん僕を食べた 僕の妹 僕の骨を集めて絹のハンカチに包んだ 僕はなんてきれいな鳥なんだ」と歌ってるんだろうか

ネズの木陰 散らばった骨が歌っていた
キラキラ輝きながら
*散らばってよかった つながっていてもしようがない*
砂の祝福を受けながら涼しい木陰で自分を忘れ一緒にいる
荒野の静けさの中で
       T.S エリオット

アイスランドのニーツチュカ・キーン監督はオープニングのエリオットにある詩に感銘して近づけようとしたように感じました
ああー☆という声とともに砂が大量に落ちていく 監督の主観的センスが強めでとても好き

ビョークは魔女だったのかな
鳥だったんだと今は思っています

THE JUNIPER TREE 1986年 モノクロ
原作グリム兄弟
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