チーズマン

ウォーリアーのチーズマンのレビュー・感想・評価

ウォーリアー(2011年製作の映画)
4.2
これは、もう男泣きですね。

格闘技と、負けられない者同士の試合、そして家族の再生。
別にそれ自体は珍しくはないはずなのにこの独特な余韻はなんでしょうね。
格闘技を扱う映画としてテンション上がる要素が詰まっていながら最後は思わぬところで感動させられる。
監督のギャヴィン・オコナー、この前観た『ザ・コンサルタント』も題材が違うだけで同じような感動と余韻でしたね、しかもそのジャンルで上がる要素をしっかり押さえているところもそう。
先にこちらを観ておけば『ザ・コンサルタント』もっと楽しめたのにと若干後悔。

弟と兄と父親、出てった側と残った側にその原因を作った側、それぞれが心に深い傷を負ったこの3人のそれぞれ過去何があったのかストーリー上必要な情報以外は詳しい説明はなく敢えてぼやかしています。
その辺がモヤモヤする人もいるかもしれないけど、でもそこがこの映画良いなと思いました。
傷の深さなんてものは結局のところ当事者しか分からない。
つまり出来事などで傷の深さを観客自身との比較から安易に推し量らせない、ずっと観てる側は3人の世界には入れることはできないという客観視点が他のこの手の映画とは違うところだと思います。
なのでストーリーが面白いから映画に入り込みながらも、実はずっとこの3人を離れたところから見る客観視点も持っていて、それは最後の試合でさえもそうです。
だからこそ最後のカタルシスがあるのだと思う、ただただその様子に胸を打たれるという。
ちょっとドキュメンタリー的な感動も混じっているようにも自分は感じました。

まあとにかくグッときますね。

しかしトム・ハーディーはハマり役だった。安易に感情移入させない。

総合格闘技に関して全然明るくないけど試合には普通にハラハラして面白かったし、誰が観ても普通に楽しめる作品なのに知る人ぞ知る的なのが不思議です。
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