トニー

ウォーリアーのトニーのレビュー・感想・評価

ウォーリアー(2011年製作の映画)
5.0
傑作。最高にアツい映画だった。
今後これが映画談義をするにあたって、僕のリトマス紙的映画になることは間違いない。獣のようなトムハーディと優等生的な佇まいのジョエルエドガートン兄弟、それに加えオヤジがニックノルティってだけでご飯何杯でもいけるわけだが。しかしそういった俳優陣の良さ以上に、話として真っ当だし丁寧なところにグッときた。彼らが辿ってきた人生、そして現状、またなぜリングに上がるのかという動機、周囲との関係性、こういったことを物語の半分をかけて丁寧に積み重ねることで、終盤にかけてエモーションが高まっていくという作りの映画だった。当たり前のことだけど、なかなかこういうことをちゃんとやってる映画って少ないんじゃないか。
こういった傑作をDVDスルーする日本の映画業界は(F◯CK‼︎)って話は置いておくとして「百円の恋」「激戦 ハートオブファイト」などここ最近の格闘映画の豊作っぷりはファンとしては素直に嬉しいところ(「ザファイター」ってのもあったっけ。結構前だけど...)。また個人的にジャンルは違えど「ファーナス 訣別の朝」にも通ずるところを感じた(兄弟、負け犬、地下格闘技、イラク戦争など)。そしてファーナスがニューシネマ的アンチハリウッドエンディングで物語を閉じるならば、今作はそれに終止符を打つMMA版ロッキーだ。
2016年に公開を控えるアントアンフークア監督の「サウスポー」にも期待したい。
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