ムーミーコロコロ

マスター・アンド・コマンダーのムーミーコロコロのレビュー・感想・評価

3.9
19世紀初頭、ナポレオンの率いるフランス軍は欧州の征服を狙っていた。劣勢のイギリス軍は、それまでに多くの兵士を失い、幼い少年たちまで徴兵しなければならない戦況に立たされる。そんな中、無敵を誇るイギリス軍の艦長は、破竹の勢いで各地を侵攻するフランスの軍艦に怯むことなく立ち向かっていく。(グーグル検索)

当時の船の様子や戦い方などがよく描かれている。
ラッセル・クロウ扮するジャック・オーブリー艦長の統率力が凄い。でも、それを支えるのは親友のスティーブン船医。行き過ぎてしまいがちな艦長を冷静に諭す。
最後に自然観察からヒントを得た戦闘方法は、見事。戦っているときは敵味方相乱れて、あの状況で敵と味方を判断できるのかと思うくらいだった。今ならどこかの一室でコンピュータの画面を見ながら、標的を狙ってドカンで終わりだろう。昔のほうがやっぱり人間らしく思う。戦いに人間らしいも何もないけれど…。

この戦いでは、多くの犠牲者が出た。精神的に追い詰められて耐えられなくなるもの。戦いの末、亡くなるもの。どれも皆戦争の犠牲者。
映画として見るのはいいけれど、やはりどんな大義名分があっても、これは殺し合い以外の何物でもない。あんなに幼い少年までもが命を落とさないといけないような戦争は、あってはいけないと思う。地上から早く戦争がなくなりますように。