ぶどう

リトル・フォレスト 夏・秋のぶどうのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

静かだけど力強い映画だった。ただの癒し映画ではない。
一気に本作と、冬春を鑑賞したが、私はこっちの夏秋の方が好き。
物語性はほとんどなく、出てくる人物も限られていて、淡々と、主人公いち子の日常が描かれる。
いち子は自分で田畑を耕し作物を育て生活している。育てた作物を調理し、食べる。言ってみればただそれだけの映像が季節を通して映し出される。だけ、なのだけど、それこそが本作の魅力だと思う。
いちこが日々営む暮らしは、意志の強い人間でないと無理だろう。一人で田畑を耕し、作物を育て、収穫し、薪を割り、自分一人のために丁寧に料理する。これを毎日続けることがどんなに大変か!
いちこの作る料理一つ一つに、力が宿っている様に感じた。育てた作物や、山で採れたくるみ、あけび、山菜などを工夫を凝らして無駄なく使っておいしいパンや飲み物、お弁当を作って自分の生きる力にして、また明日からの農作業に励む。
なかなかできることではない。だからこそ、この映画に静かな力強さを感じたのだと思う。
あと個人的に、橋本愛のお母さん役が桐島カレンという美形の方で、親子という説得力があって良かった。美しい親子!
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