青山

アマデウスの青山のレビュー・感想・評価

アマデウス(1984年製作の映画)
3.8
凡庸な宮廷音楽家サリエリが、天才モーツァルトに狂わされた日々を回想するお話。

あの大音楽家モーツァルトの生涯を描いた史劇スペクタクルということで重厚で壮大で小難しいお話をイメージしていたら......。
小生意気なガキのモーツァルトのやりたい放題の奇行、モーツァルトを失脚させようとするお堅い音楽家たち、そしてモーツァルトに憧憬と嫉妬を抱くサリエリの苦悩をユーモラスに描いたコメディだったとは!!!

3時間近い長さですが、冒頭のサリエリが神父さんに自分の曲とモーツァルトの曲を弾いて聴かせるシーンからグッと掴まれて飽きずに観られました。
音楽を愛しながらも作曲家としては凡庸なサリエリちゃんが、人格的には小学生並みのモーツァルトちゃんに嫉妬し憎みながらも、音楽を愛するゆえにモーちゃんの曲の凄さだけは誰よりも分かってしまうという悲劇。
中盤までは哀愁のあるコメディという感じですが、終盤では二人の特異な関係性がだんだん煮詰まっていくのに引き込まれ、ラストは悲劇すぎて喜劇みたいななんとも言えない余韻に包まれます。最後のあのセリフが忘れられません......。
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