奇特なロリータ趣味で娘のヌード写真を撮影し続け、倫理的物議をかもした母…という実話に基づくストーリー。
監督のエヴァ・イオネスコが、実はその娘張本人。
自分の傷をさらして映像化することは決して簡単ではなかっただろうに、なぜあえてそうしたのだろう。構想自体は10年前からあったんだって。
向き合うことで縛られ続けた過去を清算したかったのかもしれない。過去にたむけた花束代わりの映画だったのかも。
少女・ヴィオレッタとその母・アンナは、実はどちらも愛情に飢えている似たもの母娘なのかもしれないな。必要とされたい、自分の居場所が欲しい、理解されたい…！という強い願望がゆがんだ形で絡まり合い、2人の関係をすごく複雑にしてしまう。
確かに倫理的に難しい題材だけれど、実はこれはどこの母娘にも当てはまる、ごくごくパーソナルな物語な気がする。
同性ならではの微妙な距離感、不器用な言葉のかけ合い、、なんだか思春期や反抗期にどうしても母に素直になれなかった自分自身を重ねてしまって、少し苦しかったなぁ。
ヴィオレッタがあどけない少女からみるみるうちに妖艶な大人顔負けの女性へと変貌を遂げる過程は、観ていて複雑ながら陶酔してしまうほど美しい。
生きるアート、な領域。
おばあちゃんもいい味出してます。
2014.4.2
