ベビーパウダー山崎

クジョーのベビーパウダー山崎のレビュー・感想・評価

クジョー(1983年製作の映画)
3.0
そして、スティーヴン・キング繋がりでクージョをじっくり見てしまう。猛暑のなか夫婦間の問題を抱えた女性(母)が幼い子どもと車内に閉じ込められ、その周りを狂犬病に感染したセントバーナードがうろうろしていたら相当ヤバいんじゃないか…このバカバカしいまでのストレートな設定こそキング。一発ネタで長編を書ききるキングの力量、普通ならもっとガチャガチャと盛り込みたくなるが、そういった野暮な振る舞いは絶対にしない。田舎は怖い、田舎にいるデカイ犬も怖い、田舎にいる狂犬病のデカイ犬ならもっともっと怖い、中学生なみの発想(恐怖)が一番面白いってのをキングは誰よりもよく分かっている。
泡吹いたセントバーナードが車にガンガン当たってきて子どもが狂ったように泣き叫ぶ本作も嫌いじゃないけど、子どもが助からないバッドエンドの原作は映画より三倍は面白いのでクソ暑い日日におすすめ。ガルルゥゥ。