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紙の月のkaedeのレビュー・感想・評価

紙の月(2014年製作の映画)
5.0
とても上手だったのは、梨花の犯罪者としての気質が、もうどうしようもなく産まれながらのものだったのだろうことと、犯罪を起こすに至るまでの些細な行動たち(一万円だけ拝借してきちんと返すとか)をきちんと描いていたところ。
とても不自然じゃないし、観者がつい身をもって同感してしまうこともあったり。
上司に初めて呼び出されて詰問されたときの、「200万…?」っていうアレ、すごく上手だった。もういつのどういう200万なのか思い出せないんだね。それとも「え、たった200万?」って意味だったのかな

それにしても小林聡美の存在が欠かせない映画だった。優秀なひと特有のああいう言葉の連ね方、わたし徹夜をしたことがないのって言うときの声、一緒に来ますか、と聞かれたときのああいう表情って凄い。次のシーンで、本当に二人で手を取り合って逃亡してるかもしれない…とドキドキさせる表情だった。とても上手な女優さんなんだなと思った。
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