加藤久和

紙の月の加藤久和のレビュー・感想・評価

紙の月(2014年製作の映画)
4.5
傑作。クライムサスペンスとしての面白さにとどまらず、自分のこととして様々なことを考えさせられる作品だ。明日のために今日を慎ましく生きるのか、あるいは今日の一瞬の幸せのためにすべてを投げ出して生きるのか。たとえ盗んだお金であったとしても、そのお金によって誰かが幸せになれればそれでいいのか。梨花とより子という両極端な人物の対決によって普段は考えることもない問いに直面することになる。とにかく宮沢りえと小林聡美の演技が素晴らしい。宮沢りえの悲しくも美しい疾走に不思議な爽快感を感じた。
加藤久和

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