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紙の月のmarimoのレビュー・感想・評価

紙の月(2014年製作の映画)
4.2
きっかけは最初の一万円。
狂い始める彼女の人生。

嫌な緊張感がひしひしと近づいてきて、十字架を背負った瞬間からの居心地の悪さはもう最悪。
こういう感覚が吉田大八監督作品の好きなところ(観てる時は、ほんとイヤなんだけどね)。

後先考えまくる私には観ているだけで苦痛な時間でした。※褒めてます。

悪事に手を染めるシーンは居心地が悪いのに、バレてからのシーンの緊張感は異質なほど軽い。彼女自身の心情の変化が作品全体ともリンクしている。こういう所も吉田大八監督って凄い。

勧善懲悪かな。
悪なんだよね、きっと。
悪に染まった自分を気付かなくなった辺りから。

お金は人を変えてしまう。
自分のお金じゃないと、所詮は紙切れ。
幸せになれるのは、ほんの一瞬。偽り。

多幸感に満たされたいという気持ちは、体から抜けることのない毒のようなもの。
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