あんじょーら

紙の月のあんじょーらのネタバレレビュー・内容・結末

紙の月(2014年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

感想は普段見てから時間を多少はかけて書いてから読み返したりしてから、レビューにしてますが、今回はやられてしまって。たった今見終わっての感想です。

梅沢=宮沢りえの、人としての、女としての、悲しさ。私はこの映画のどの人物にも共感出来ないのですが、走る梅沢=宮沢りえに涙が出ました。


不倫も横領も、もちろん良くないのですが、だからこその快楽がある、というのではなく、欲望が人を壊したのではなく、梅沢=宮沢りえはただ、自由になりたかっただけなのではないか、と。本物がこの世の何処にも無い事を、ただ知っていて、だから本当に本物が無い事を、全力で確かめてみたかった。その素養は学生時代からあって、生活と結婚で隠されてただけで、だからこそ、別のやり方で試していた隅=小林聡美を最後に誘ったんだと、私は感じました。


旦那の人も上手いですし、相川役のakbの人のどす黒さも良かったが、梅沢=宮沢りえの何処にも繋がっていない不安感と、それでも確かめたくなっていく感覚の変化が恐ろしかった。

音楽も最高に良かった。私は、最後は蛇足だと感じましたが、それも良かったのかも。

月を消し去った梅沢=宮沢りえの表情が、悲しく、やっぱり、という確信が…

しかし、それでも隅=小林聡美にあなたはここまで、と言われたからこその、私はまだベストを尽くせてない、とギアを入れた走る梅沢=宮沢りえの表情が素晴らしい。


また、ホームの反対側に渡り、自らが見られている事を理解していて目線を合わせないで誘う際のエロティシズムはちょっとない。ダメな主婦が光り輝く瞬間としてもちょっと無い。


本当に支離滅裂なレビューですみません。