まぬままおま

パワーズ・オブ・テンのまぬままおまのレビュー・感想・評価

パワーズ・オブ・テン(1968年製作の映画)
4.0
『夜明けのすべて』より。
パンフレットの松村北斗と三宅唱監督の対話で、松村さんが「まさに作品の真ん中にひっそりとあの本が置いてある」と発言していることからも、重要な作品のように思える。ただ『夜明けのすべて』の関連なしに本作は良い作品である。

〈私〉がまずある。だけど引いてみれば、〈私〉は地球の中にあって、さらに地球は太陽系にあって、銀河系にあって、宇宙にある。〈私〉は未知の世界の中に存在している。

逆に寄ってみれば、〈私〉には手があり、さらに手は皮膚から成って、細胞で成って、原子で成っている。〈私〉は未知の世界で構成されている。

〈私〉の外には未知の世界があって、内にも未知の世界がある。そしてそれらは繋がっている。なんか感覚の孔が開いた気がする。