せいけ

THE DEPTHSのせいけのレビュー・感想・評価

THE DEPTHS(2010年製作の映画)
4.5
カメラマンと男娼によるBLのような物語
登場人物がほぼ男性だったり、ノワール的なテイストなど濱口竜介の中では異色の毛色
韓国人がスタッフに入っていることもあり映像の質感は硬質で冷ややかな感じで構図が決まっている
カメラを通して撮る側と撮られる側の対立から一方的な関係性を描く
中盤あるシーンでそのルールが破られることにより、ジャンルが一気に変わる映画的飛躍に心踊らされた
マジックアワー、鏡、カメラなどフィルターを使った演出も秀逸で、時折多層的な会話により物語の緊張感が高まるのは濱口竜介らしさかもしれない
ラストカットのよるべなさが余韻に残る