まっつ

劇場版 テレクラキャノンボール2013のまっつのレビュー・感想・評価

2.6
ユーロライブにて鑑賞。
カンパニー松尾監督作品は初めて観ました。
2016年初の映画鑑賞です。

いやー、なんなんでしょうね。僕はいったい何を観たんでしょうねこれ???本当にわからない映画でした。いや、あらすじが理解できない映画じゃないんですよ。6人のAV監督たちがゲームをする、その様を追ったドキュメンタリーです。
レースの着順と一般女性とのSEXにこぎつける順位をポイント化し、より多くポイントを取った人が優勝、優勝者は帰りのフェリーでAV女優さんとヤリ放題。
といった具合に、ルールも基本的にはそこまで難しくない。でも、本当に何を観たのかよくわからない映画だったんです。
その理由の一つとしては「なぜこれを劇場公開した!」ってことだとは思うんですけど、それを抜きにしても、このゲームに参加する人たちの心情が何よりわからない。

このゲーム、ボーナスポイントを得るための手段がたくさんあって、その手段の数々というのは「人間としてどうなの?」と言いたくなるものばかりで。でもみんな、その様々な手段に手を出してでも優勝しようとする。
でも考えてもみましょうよ。これ、単なるゲームよ?優勝者に与えられるのはちゃっちいトロフィーとヤリ放題の権利。言ってしまえばそれだけ。それに、参加者はどうもこれらを目指して戦っている風でもない。なんの為に?本当にわからない。その感想は最後まで変わりませんでした。

みんな終盤に向かうにつれ、笑いながらおかしくなっていく。少なくとも、普段の人間の営みでは絶対にやらないであろうことをする。それでも優勝しようとする。与えられるものはとても小さいにも関わらず。なんでなのかはわからないままでした。でも一言で言うなら『業』とか『性』とか言うべきものなのかな、と。
この作品は、『業』やら『性』やらのおかげで変われなくなってしまった人達が、何も変われないまま、それでも何かを変えようとした、その軌跡を追ったドキュメンタリーなのかな、と思いました。なんとなく『キック・アス』を思い出しました。あの物語だって発端は、ヘタレなやつがヘタレなまま、それでもヘタレの対極とも見えがちな『ヒーロー』になろうとする、そういう物語だったわけだし。まあこの作品の場合、その『何か』がなんなのかは理解できないんですけどね。

何を観たのか、今もって謎です。でも抜群に面白かったし、フェリーでのみちるさんと今田さんの一幕は感動しました。いろんな感情が上映中一気に襲ってはくるけど、結局「わからない」だけが残る、そんな変な映画でした。
とりあえず、10時間のフル版と『裏キャノンボール』を近いうちに買いますね。
まっつ

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