ともぞう

ソロモンの偽証 後篇・裁判のともぞうのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

ソロモンが行ったような正しい裁判なのに、その内部の正しい証言が、すべて虚偽・偽証となる。これが「ソロモンの偽証」の意味。緊迫感がないまま、緩い裁判がダラダラ続く。結局は神原の茶番に皆が付き合わされただけ?なぜ、柏木は神原にあれだけ罵詈雑言を投げかけたのか?ただ、ただ心底メンタルがクソな奴だったのか?松子の無駄死にが本当に可哀想。いろいろモヤモヤするが、みんな友達と爽やか風味で終わる。後編の失速はかなり残念に感じた。

〈あらすじ〉
三宅樹理(石井杏奈)は、裁判に出たいと藤野涼子に話を持ちかける。一方、神原和彦(板垣瑞生)は、亡くなった柏木卓也(望月歩)に電話をかけて事件現場まで呼び出したのは「本人だ」と言う仮説を涼子に話す。しかし、その説はあり得ないとして涼子ら検察側は真っ向から否定した。涼子はいつも完璧な神原がこんな説を立てるのはおかしいと神原を警戒する。後に「本人」は柏木で無いと判る。学校内裁判が開廷した。検察側と弁護側は証人に尋問を行い、真実を見つけるため奔走する。そして閉廷日、神原が証人として召喚され、事件当日の夜に自分が柏木から電話を受けたと話す。そして自殺を仄めかす柏木を止めるべく、柏木と「自分の思い出の場所を巡り、それぞれの場所につく毎に柏木に電話をする」という内容の「ゲーム」をやり、思い出の場所を巡り終え、屋上に呼び出されて行くと柏木が立っていたと真実を語る。柏木は「ゲーム」で神原が苦しみながら打ち拉がれる姿を見ることだったが、神原は封じ込めていた両親との楽しい日々も思い出した。「ゲーム」をしてよかったという神原だったが、結果が自分の思惑とは異なるものであったことに不満を抱いた柏木は、「ゲーム」を続行しようとするが、疲れ果てた神原が帰ろうとした事に怒り、「人殺しの息子は生きてる意味はない」など散々罵倒した挙げ句「帰ったら自分は飛び降りて死ぬ」と言った。神原は柏木が友達と思われていなかったと理解し怒ると「そんなに死にたいなら、勝手に死ねばいい」と見捨てて帰った。翌日、神原は柏木が本当に飛び降り自殺したことを知る。柏木を殺した真犯人は自殺した柏木本人だった。評決は被告人の大出俊次(清水尋也)は無罪と言う趣旨のものだった。しかし納得できない神原は判事に「僕を殺人罪で裁いて下さい」と言い、責任を負おうとするが、それに対して涼子は、「ここにいる誰もあなたを裁くことはできない、自分の罪は自分で背負っていくしかない」と言う。裁判を終えた大出は神原に和解の握手を求める。のちに教師となった涼子は、14歳だったからこそできた裁判を述懐し、ともに裁判を闘った生徒たちと友情を築いたことを語り物語を締めくくる。
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