イゴ

ソロモンの偽証 後篇・裁判のイゴのレビュー・感想・評価

1.9
本作に対して何故にこれほど不快感を抱いたのか、正直、まだ分かりきってない。ポジティブな話ではないが、ネタバレしないように残したいと思う。

まず、前編で期待感を上げすぎたのが大きいだろう。それは前編がフリとして良作だったのもしれないが、実はもっとシンプルで「2本合わせて3,600円も払うんだし、面白いんでしょ?」という金銭的なものだったのかもしれない。

次に思うのが、中学生たちの演技である。これは評判も高く彼らも頑張っているのは分かる。が、それでもこれだけの長尺を学生たちメインで魅せるのは厳しかったのではないか。

特に酷かったのが役名もないエキストラのような女子学生である。ある重要なシーンで、彼女は画面の真ん中に映る。何人かと一緒に。とても重要なそのシーンで彼女は急に動き出す、真ん中で。最初は「あれ?」と思ったていどだが、そここらモゾモゾと動き続ける。まるで、そのシーンに『隠し球』として急に登場するのかと思わせるぐらい。

勿論、彼女はそんな役ではなくエキストラで、話はそのまま続いていく。つまり、彼女は静かにしとかなくてはいけないシーンで何か個人的な理由で動いてしまったのだろう。それはしかたない。ただ、なぜ撮りなおさなかったのか? どう見ても、あれは酷い。あれをOKにした大人たちが。

酷いといえば脚本かもしれない。繰り返される言葉やシーン。進んでそうで進んでない展開。前編で煽った『その嘘に隠された真実』『心揺さぶる衝撃と感動のヒューマン・ミステリー』『学校の伝説』が「えっ?! そんな真剣10代しゃべり場的な話だったの?」と腰砕ける内容だったり。

特に、最後の方で現代に戻って校長が「あれからxxがなくなったんですよ」には白けを超えて怒りすら覚えた。オチもなんだよ、あれ。

長くなってるので、最後に1つだけ。

エンドロールでU2「ウィズ・オア・ウィズアウト・ユー」が流れた時の違和感。これじゃない感。パンフで何故この曲が使われたかを1ページも割いて説明しているが、それでも納得がいかない。エンドロールを眺めながら「前編でハードル上げすぎたなぁ」ではなく「ふざけんな!」とイラついていました。

しかし、嫌い嫌いも好きのうちですかね。こんなに熱く長文を書いてしまうなんて。ご静聴ありがとうございました。

2015年4月15日(金)新宿ピカデリーにて鑑賞。
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