鍋レモン

誘拐の掟の鍋レモンのレビュー・感想・評価

誘拐の掟(2014年製作の映画)
3.4
⚪概要とあらすじ
『96時間』シリーズなどでアクション俳優としての地位を確立した名優リーアム・ニーソンが主演を務め、ローレンス・ブロックの傑作ミステリーを映画化したサスペンス。

ニューヨーク中が連続誘拐殺人事件におびえていた1999年、元刑事のマット(リーアム・ニーソン)のところにある依頼が舞い込む。それは妻を誘拐された夫からの、犯人を見つけ出してほしいというものだった。マットはこれまでの刑事人生で身に付けた全てのスキルを総動員して誘拐犯の捜索に挑むが、相手もなかなか尻尾を出さず…。

⚪キャッチコピーとセリフ
“誘拐犯に告ぐ。殺したら、殺す。”

「丈夫な膀胱だ」

⚪感想
サスペンス作品。

安定のリーアム・ニーソン。家族死んでるか、アルコール中毒か、昔に何かしでかしてる役柄多い。まぁ大好きだし大好物だけども。
リーアム・ニーソンの役の経歴だけで作品を当てるゲームしたい。
『RED』みたいな笑い多めなアクション作品にも出て欲しい欲。
悲壮感や哀愁でこの人に勝る人は居ない。

リーアム・ニーソンが出演すると物語に深みが出て重厚感が増す。『ランオールナイト』と似た感じで暗いし、シリアスだし、ちょい重い。

引退した敏腕刑事で今は探偵なようなものをするマット。猟奇殺人犯をつきとめ、頭脳戦を繰り広げることに。

アルコール依存症とTJが少し物語に絡むのが良かった。

マットの相棒のTJが口は悪いけど賢く、絵が上手いところが良い。途中途中ハラハラするけど嫌な方へは転ばなかったので良かった。

名前が少し多めに登場するので女性の名前はちゃんと覚えた方がいい。

元刑事、今は探偵だからか聴取や尾行の上手さ、機転の利き方、かなりタフなところが良い。

邦題やキャッチコピーは少し違和感。
邦題の『誘拐の掟』というより『アルコールから立ち直る12のステップ』。
キャッチコピーの「誘拐犯に告ぐ。殺したら、殺す。」というより「誘拐犯に告ぐ。殺したら、身代金を払わんぞ。」。

そこまでグロすぎるシーンはない。

雨のシーンがいくつか。



⚪以下ネタバレ



12のステップともうちょい物語を重ねても良かったのかなと。『ザ・グレイ』であれば上手く父の詩と彼の行動が結びあっていたのに今作はそのステップは無いようなもの。
12のステップも語られるのは後半なので1つずつ語られそれをマットが知らず知らずのうちにこなしている的な内容だったらより好きだったかな。

身代金で本物は上と下の3枚だけっていうのが「なるほど」と思った。1枚だけとかはよくある。結局バレるけど。

ピーターは死にそうだなって思ったけどケニーは意外すぎるというか、気を抜きすぎ。なんで1回アルバート気絶させてからレイに会いに行ったんだよ、殺しとけよみたいな。

少し特殊な絵を描くTJ。図書館でマットと出会い仲を深める。口が悪く肉やソーダなどを好まないが実は病気だったから。銃を手に入れるもマットの言葉から銃を売るなど真面目な面も。そのせいでボコボコにされてしまう。後半では敵のバンに隠れて乗っていたことで犯人の居所を掴むことが出来る。ラストで今まで残酷な絵や、人間の構造のような絵を描いていたTJがヒーローの絵を描いていたのが深いと思った。

誘拐犯2人がもっと語られてもいいのかなと。
ケニーの奥さんの殺し方や、乳房を切り裂いて持ってこようとすること、少女を無事交換できるも指は切り取られていた事からかなりヤバい人物であることは伺える。

かつてマット刑事だった際、非番でお酒を飲んでいる時に強盗がそのお店のバーテンダーを殺したため2人を射殺して、1人の足を撃ったことが。後に分かるがその際に少女を撃っていて殺してしまっていた。表彰を受けたものの自ら辞職することを選択。
この少女を殺してしまっているのに表彰されるって何気にキツイなと思った。しかも自分はお酒で酔っ払っていた自覚も多少あるだろうし。今回14歳の少女を救ったことが贖罪のような形になるのかなと。

14歳の女の子が初登場が赤ずきんかのように赤いコートと可愛らしさで印象的だった。

マットはアルコール依存性の会で一緒になったピーターから弟のケニーを助けて欲しいと頼まれる。ケニーは妻キャリーを誘拐され、身代金を払ったもののバラバラ死体となって帰ってきたことを伝える。また、ケニーは麻薬仲介人であった。調べていく中で、TJを相棒にし、マリーもレイラの誘拐事件を知る。墓地の管理人ジョナスやレイラの婚約者だったルーベンに話を聞く。ルーベンも麻薬関係の仕事をしていた。そんな時に向かいの建物からジョナスを見つける。アパートの向かいへ行くと小屋からルーベンとレイラの写真を見つける。ジョナスが駆けつけ殺されそうになるも写真とナイフを交換し、ジョナスが2人の男と組んでレイラを誘拐したと告げる。そして片方の名前がレイであるということを告げるとそこから飛び降り自殺をする。その後マットは麻薬取締局に追いかけ回されるもある情報を得る。それはピーターがケニーの家から盗んだお金で麻薬を買い捕まった際、ケニーの情報を売っていたのだった。さらにその情報を売った相手であるマリーが死に、マリーが持っていた資料からキャリーが狙われてしまったらしかった。マットは依頼をやめようとするも再び誘拐事件が。次のターゲットは14歳の少女だった。マットは誘拐犯と頭脳戦を繰り広げ何とか身代金と少女の交換にたどり着く。無事交換するも偽札がバレ、ピーターが銃撃戦の中で死ぬ。誘拐犯であったレイとアルバートが逃げるもそのバンにはTJが乗っていた。さらに、レイは銃弾を受けていて、足でまといになると考えたアルバートはレイを殺す。ケニーとマットも到着しレイを捕まえる。マットは証拠があるため警察に差し出すか、殺すかを選択させるが、ケニーは殺すことを選択する。しかし、ケニーは油断していたのかアルバートに殺されてしまう。そこへマットが駆けつけ、戦闘の末アルバートを撃ち抜く。マットが帰宅するとTJがおり、テーブルにはTJがヒーローになったイラストが置かれていた。それを見てマットは目を瞑る。

⚪鑑賞
GYAO!2020
鍋レモン

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