今年観た映画で最もハードボイルドだった作品。怜悧なプロ意識と、表面に出さない深い〈情〉。これを体現する見事なキャラクターが登場してハードボイルド映画は完成するのですが、本作はさらに、影を効果的に使ったライティング、ルシアの赤いコートに代表される色使い、的確なスローモーション、墓地取引シーンのカットバック編集、メインタイトルのセンス…などなど、演出の完成度が半端ないのです。「アクションが少ない」、「ニーソンが戦うモチベーションが弱い」などと言われましたが、そういう輩は全く映画を観る目がないと言わせて頂きます。
断言しましょう、これは傑作です。