てるる

奪還者のてるるのレビュー・感想・評価

奪還者(2014年製作の映画)
2.5
アニマルキングダムも緊張感あった良作だし、脚本を務めたメタルヘッドも悪くなかった。何よりチラシの煽り文句「これがもう一つのマッドマックスだ」に期待して観に行きましたが…だいぶ違いますから!!

まだかろうじて文明も残ってて、軍人とかもいるので、近未来とは言ってもマッドマックス1に近い。雰囲気としてはちょっと前に公開してた「マッドガンズ」に似てる。

ストーリーは、悪党に車を奪われたガイ・ピアース扮する主人公が、執拗に追いかけるうちに車を奪った悪党の弟と旅することになり、心を通わせて最終的には車を奪い返すのだが…
何故あんな車をしつこく奪い返そうとするのかがラストで明らかになるんだけど、こんなオチで納得できる人が果たしてどれくらいいるのか。まぁ、公式サイトとかチラシ読んでれば最初からネタバレはしてますが!
何の予備知識もないまま観てたら、ハァ?となるかも。そもそも悪党どもも車奪った後にトランクくらい確認しそうなもんだけど。登場人物達が軒並みアホばっかりでツッコミどころ満載。そして謎の中国推し。ああいう荒廃した未来では中国が台頭してきてるってこと?これオーストラリアが舞台だよね?

演出面も冗長。静かなシーンが多く、だからこそ突然訪れるバイオレンスシーンが映えるのかもしれないが、ちょっと退屈に感じてしまうシーンも多かった。103分の上映時間を90分くらいに抑えられたらもう少し評価上げてたかも。

さんざん悪いところばかりを挙げてしまったけど、良いところもある。ガイ・ピアースのやさぐれっぷりとか、ロバート・パティンソンがちょっと頭の弱い子みたいな感じだったりと演技は良かった。
それにあの乾燥した世界のざらつき感なんかは上手く荒廃感を表してる。こういう映像は大好き。万人受けは絶対にしないと思うけど、荒廃した近未来の映像が好きだーという方は観ても良いと思います。
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