ジャック

世界の果ての通学路のジャックのネタバレレビュー・内容・結末

世界の果ての通学路(2012年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

 かなり演出はされていると思うが、学校に向かう子供達を追っかけて果たしてどんな映画になるのかと思って見てみたが、ワクワクドキドキ、毎日が冒険の連続で子供達の表情やつぶやきを聞いているだけで楽しい。
 パタゴニアの兄妹は馬の背に乗りながら22kmの平原を4時間かけて学校に旅立つ。山の裾野の祠の中の神は彼らの無事を祈っている。満面の笑みを称えながら馬の鞍の前に座りお兄ちゃんに助けられながら手綱を握る妹のかわいらしさ。ケニヤでは像やキリンの生活圏を命がけで駆け抜ける兄妹がいる。突然しげみの中から聞こえる野生生物の気配に跳ねるように逃げ出す二人にこちらも手に汗が…。いやはや驚きの連続、いつしか彼らと共に冒険の旅に巻き込まれていく。インドの3兄弟は車いすに乗った兄貴を二人の弟が協力しながらの珍道中。これには笑ってしまう。モロッコの少女はなんとアトラス山脈を越えるという通学路にびっくりする。観客からしてみれば、いずれも雄大な大自然を背景に通う彼らの姿に酔いしれることができるが、彼らにとってみれば、こんな理不尽なことはない。それでもなお誇らしげに学校に行く。
 そんな苦難があったとしても、彼らの夢見る未来があることに感動を覚える。あたりまえのようにそこに学校があるわけではない。見終わった私たちの方が励まされるような気分になる。晴れやかな気分とともに、こんなところに人間の未来を信じられるような気がした。
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