何とも軽やかなルノワールの遺作!
「未来の世代のために一本だけ映画を保存するとしたら、私はこの映画を選ぶ」エリック・ロメール
『最後のクリスマスイヴ』『電気床磨き機』『愛が死に絶えるとき』『イヴトーの王様』の4作の短編で、全てが大らかな楽しい雰囲気になっていました。
3話目の、ジャンヌ・モローがただ一曲『愛が死に絶えるとき』を歌うのみの幕間劇も粋な余韻を残す中、始まった本当に最後の話『イヴトーの王様』が最高でした!
まず、私が見たフランソワーズ・アルヌール7作品で、歳を重ねているけれどピカイチにアルヌールは魅力的でした。
葉っぱの冠をかぶってスキップしたり、ウキウキするアルヌールが最高に可愛かったです💕
あらすじは↓
緑茂れる南仏で、人々から「船長」と慕われるデュヴァリエは初老。しかし奥方は若くて美人なイザベル(勿論アルヌール)
やっかみもあるけれど、家庭は笑いが絶えないのだった。
しかし急に愛犬が骨を飲み込み騒ぎになってしまう、医者の登場により、犬は助かるが医者は美しいイザベルと恋に落ちてしまう。
人の良いデュヴァリエがそれを悟ると、最初は悩み涙が流れるが、妻を心から愛する彼はなんと「常識なんてくそくらえだ」と2人を受け入れ許すのだった。
ラストはフランス映画でしかあり得ない全く粋で爽やかな渦に巻き込まれます😮
まるでルイ・マルの『好奇心』のラストシーンを見た時と同じ爽やかな驚きでした。
忘れがたいのは『セリーヌとジュリーは船でゆく』のドミニク・ラブリエがメイドのポーレット役をしていた事。
憶測だけど、ジャック・リヴェットはこのドミニク・ラブリエをみて『セリーヌと~』をオファーしたのではないかと思うほど、コミカルでキュートな役を生き生きと演じていました。