あちゃん

ショート・タームのあちゃんのレビュー・感想・評価

ショート・ターム(2013年製作の映画)
4.2

様々な問題を抱え
親と暮らせなくなった10代の子供を
預かる施設ショート・ターム。
若きケアマネージャーのグレイスは
同僚で恋人のメイソンと同棲中
明るくて仕事ぶりも有能な彼女は
現場スタッフのリーダー的存在。
そんなグレイスも誰にも言えない
深い心の闇を抱えていた。


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辛い、苦しい、助けて
誰にも言えない、未来が見えない

そんな子供達の叫びが聞こえてくる





子供が脱走するシーンから本作は始まります

親から捨てられたり逃げ出したり
理由があって親元から離れて暮らす子供達は
各々が様々な闇を抱えている

ショートターム21はそんな子供達の
駆け込み寺であり憩いの場であり
未来の見えない塀の中の様にも見えた





ショートタームの規則は

・外では子供に触れない
・部屋の扉は開けておく
・刃物は持ち込まない
・親が希望すれば帰宅させる
・18歳になったら施設を卒業する

子供の自殺を防ぐためや
子供達の事情に踏み込みすぎないための
規則もあり出来ることは限られている。
子供の方から助けてと言ってくれないと
施設はどうすることも出来ないんだ。




何度も脱走を測るお人形が家族のサミー
18歳になり卒業間近のマーカス
新しく平日だけ入所するジェイデン

この3人がメインで話は進んでいきます

施設の子供達と関わるグレイス自身、
辛い過去がありグレイスは自らと子供達を重ね
未来があることを教えていき、
逆に子供達からも未来を変えれたんだと
学ぶのでした。






マーカスのラップの歌詞と
ジェイデンの作った童話には
胸が苦しくなりました

口に出しては言えない苦しみが
歌詞や童話にありました

それでも、周りの支えと自身の力で
未来を切り開いていく子供達……





冒頭に逃亡したサミーは
ラストにも逃亡を測るのですが
最初と最後の逃亡は全く別物に見えました

見えない暗闇に居たのが
ほんの少し明かりが見えたような……



噛めば噛むほど味が出る
どんどん心に沁み渡る。そんな作品。