問題を抱えている若者を保護する施設に勤めている”グレイス”。
穏やかな朝、新しくやってきた職員とともに談笑しているさなか…。
傷を負っている子どもたちと傷を負った大人たちによる「破壊」の物語。
心が健全な人（そんな人なんてどこにもいないだろうが）からみれば非生産的な行為としかいえない破壊であるが、それでもこの人たちにとっては救いとなりうる。
童話とラップ、それぞれを語る二人の心に深く根差したモノが透けて見えてしまうが、それ以上に詳らかにされないが明るくふるまうルイスの物語を勝手に想像してしまう。
感動させるという意味とはまた異なる、「他人の心を動かす」ことの難しさを実感する作品。
