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キル・ユア・ダーリンのsilentのレビュー・感想・評価

キル・ユア・ダーリン(2013年製作の映画)
3.5
『名誉の殺人が適用されるのは
同性愛者に襲われ
自己防衛した場合である
被告人が異性愛者であれば
罪は問われない
もし被告人が同性愛者であれば
第1級殺人の罪状が適用される』

コロンビア大学時代の詩人アレン・ギンズバーグが巻きこまれた殺人事件の顛末を描いた伝記映画。

セリフだけ先に知ってた、『シラフのくせに幸せだなんて言う奴はとんでもない嘘つき野郎だ』の『シラフのくせに幸せだなんて言う奴は…』の間に規制が入る表現があったのを知りました。このセリフを発したベン・フォスター演じるウィリアムの、神経質で生きづらそうな人柄が刺さってすごく(略)。手を出せる薬という薬に体を沈め、笑気ガスを吸いながら空の浴槽に身を沈める。『道楽者たちのサークルはこれで終わりだな、振り出しに戻れ』ってセリフ、気だるそうに、なのに明瞭に話すの最高すぎました。クリエイティブな生き方(世捨て感)



デイヴィッドもジャックも、自分の居場所には何度も帰って行こうとするその姿勢は見習いたいと思った。強い執着は非常に魅力的なフィクションとなりますね。


命の恩人だ、
平凡な君が変われたのは僕のおかげだろ、
僕がいないと退屈だろう、
躊躇わずそう言えることがかっこいいと思うのは魔性の登場人物たちに惑わされているからかもしれません。

良い詩をたくさん聞けた気がする。フィクション(デタラメ)の字幕も光っていたな…😶

ルシアンが自殺未遂を繰り返していることや、犯罪が大学に筒抜けになってて、それをお母さんが事前に大学に共有してたことにショックを受けて「もうだめだ、諦めるしかない、どうにもならない」そこからあいだが空いて「僕はすぐ駄目になるんだ」とアレンに明かしていくの魅力が強かった。

『問題の夜(The night in question)』にメッセージを残したスティーヴ教授におおおってなるなどした。

シンプルにいい映画だったのでは!
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