劇場でチケットを買うとき、間違えて「氷の微笑一枚」と言ってしまって、非常に恥ずかしい思いをしました…
原題通り「白昼の花火」だったらこんな目に遭わずに済んだのに!
「ドライヴ×北野映画」という前評判を聞いて、期待して観に行ったのですが、その期待を更に上回ってきて、とても好きなタイプの映画でした。
とにかく、撮影、照明、編集テンポと全てが素晴らしく、「映像で語る」という気概に満ち満ちていて、観ているこちらも気が抜けないタイプの作品です。
しかし同時に前評判通り、非常に映画芸術的な手法を多用しつつも話自体はジャンル的な型にはまるものという、
「みんなが一番好きなバランス」なので、存分に楽しむことができます。
お話は「第三の男」的なミステリー+ファムファタールへの叶わぬ恋と言った感じで、台詞は極力使わず、前述の微細な演出の数々で主人公達の心境を表現していきます。
自分の恋愛偏差値が低過ぎるため、
「刑事という仕事」が恋人な上、恋愛に対して好きになる程ぶっきらぼうかつ乱暴になってしまう
「小学生ガキ大将タイプ」の主人公の心情は手に取るようにわかったのですが、
ヒロインの考えてることはまるでわかりませんでした…
終盤の観覧車からのシーン。
ヒロインが真相を有耶無耶にする為に主人公へ口づけ→
それが内心解っててもムラムラしてセックスしちゃう主人公→
一晩過ごした仲なんだし俺たちもう付き合ってるようなもんだよな!一緒に飯でも食おうぜ!→
ヒロインは飯食わないし、あくまで冷たくビジネスライク→
主人公ショボン→
てめーがそんな態度ならもういいや逮捕するよ!→
後悔…→
ヤケクソダンス→
ヤケクソ花火
と、主人公の行動心理は割と明確なのに対し、
ヒロインは何故最後笑ったのか?
実は心の何処かでは主人公のことがちょっと好きだったから?
それとも本当に只々弄んでただけ?
「男って本当馬鹿よねえ…ヤレヤレ」的な笑いなの?
…全くの謎です。
彼女の心境を理解するには、映画の読解力を高める以外にしなければならないことがあるかもしれませんね…
兎に角、
ビジュアル!良し、芸術性良し、ジャンル感良し、という
みんなが一番好きな最高のバランスの映画ですよ!