gyaro311

6才のボクが、大人になるまで。のgyaro311のレビュー・感想・評価

4.5
上映中の映画や、試写会がきっかけで興味を持ち、
レンタル視聴した映画の感想も
これから載せたいと思っていてその第一弾!です。
11月上映予定の『エブリバディ・ウォンツ・サム‼︎ 世界はボクらの手の中に』の
リチャード・リンクレイター監督の代表作です。
『エブリバディ・ウォンツ・サム』で監督は、
“3日間とは思えない濃密な時”を表現しましたが、
原点である『6才のボクが、大人になるまで。』は、
“あっという間に過ぎる12年間”を描いています。
長い時間を撮っても、短い時間を撮っても、
それは「今」という一瞬の積み重ねでしかない。
だからこそ、今が重要なのだ、というメッセージを
監督は発信し続けているのだと思います。
優しいし、前進し続けるけど、行き当たりばったりの母親。
夢見がちな父親が、徐々に父親として成熟していく様子。
そんな親の姿を、徐々に等身大の存在として、見つめるようになり、
それぞれ成長していく、姉とボク。
そんな家族の生き方を、同じキャストで、12年間かけて撮影したこの映画には、
それぞれの人に流れている、
それぞれの“かけがえのない時間”について
訴える力がある。
また『エブリバディ・ウォンツ・サム』と共通するアイコン、
例えば、車での旅立ちとか、音楽とかに、
監督自身の人生のハイライトシーンが
投影されているように思えて、味わい深いです。
『6才のボクが、大人になるまで。』をまだ見ていなくて、
『エブリバディ・ウォンツ・サム』を劇場で!とお考えの方は、
(そういう人は私ぐらいかもしれませんが)
やはり『6才のボクが、大人になるまで。』を見てから、
劇場に足を運ばれることをお勧めします。
逆の順番で見ても、充分堪能できましたが、
劇場での体験を重視するのであれば、
予習して、全く損はありません。
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