HOSHI

6才のボクが、大人になるまで。のHOSHIのレビュー・感想・評価

4.5
シネマカリテにて鑑賞。ほぼ満席で、本作の人気と評判の高さがうかがえました。観客の年齢層は高めでした。

これは映画なのだろうか、と何度も何度も考えてしまった、そんな映画です。Richard LINKLATER 監督の十八番である "時間を撮る" 映画の最高傑作でしょう (少なくとも現時点では。続編を撮り続けたりしていなければ)。いやはや、圧倒的でした。

原題の "BOYHOOD" が示すとおり、あるひとりの人間の少年時代の成長を文字通りの意味で映画にしています。これと比類する作品は BBC の Up シリィズくらいしかないのではないでしょうか (NHK のもあるか)。しかし、本作はドキュメンタリではなく、あくまでも映画であることに大きな価値があると思います。

主演の Mason を演じる Ellar COLTRANE 氏の佇まいというか、存在は素晴らしいです。大人になったときのふとした表情が父親役の Ethan HAWKE 氏に似ていて、もうやられたとしか言いようがない。偶然? それとも演出?

そして、何よりも、彼の成長を見ることで、自分や家族、友だち、ましてや見ず知らずのどこかの誰かにも少年時代があり、鮮やかな成長があることに思い至らせるところが本作の魅力です。

きっと歳を重ねていく度に、新たな発見のある映画だと思います。自分に子どもができたときに観たらと今からわくわくするくらいです。また、是非とも今、少年時代にいる人たちの感想が聞いてみたいものです。オススメです。
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