よしくん

物置のピアノのよしくんのネタバレレビュー・内容・結末

物置のピアノ(2012年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

桃栗3年、柿8年、梨の馬鹿野郎18年。

弟を亡くした姉妹。負けず嫌いの姉は自分が銀賞だったピアノコンクールで妹に金賞を取られ負けたらピアノをやめてしまう。そして家の中のピアノはもう弾かないからと物置に入れられて、それから妹が物置で弾くようになった。辛い時もピアノに救われる体験をする。

しかし少し痴呆気味の祖父が禁止されていたタバコを物置で吸い物置が焼けて消化水がピアノにかかり音が出なくなる。しかし蛍が飛んできてピアノに入り込み、ピアノは復活する。弟の魂がピアノの命を救うかのように。

最後のチャリティーコンサートでは、多くのお年寄りが集うなか、春香のピアノが会場を一つにした。そして、自分の本心をようやく伝えられるようになり、音大受験を志すと親に頼んだ。

この映画の最後のチャリティーコンサートのシーンの多くの老人たちの顔がとても印象に残った。それぞれの人生を生きて、震災もなんとか乗り越えてつつ、苦労と共に年輪を刻んだ顔。皺の深みにシミも目立つ顔が揃う中、若い春香の奏でるピアノの音で、それぞれの苦労の人生を歩んできた魂が心を揃えで歌う素晴らしさ! 少し感動した。
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