春イコ

物置のピアノの春イコのネタバレレビュー・内容・結末

物置のピアノ(2012年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

福島の町の中だけの話。
言葉の一つ一つが重い。
風評被害の人災が特に。

あと、仮設住宅の人々に音楽を届けることになるが、その頑張る姿勢が空々しく思える。
希望を与える、その音楽でさえも空虚なものに感じた。
なにもかも震災をきっかけに抱いた気持ち。
映画の中でも吹奏楽の演奏は人々には響かない。
しかし、人を歌わせたのはふるさとを思う音楽だった。
日本人なら誰もが土地を懐かしみ、同じ気持ちになれる歌はふるさとだけなんじゃないかと思うけれど。
今、日本人がみんなで歌える歌が少なくなる中で、もしこの歌を知らない人がいたならばこの映画は駄目になってしまうと思った。
この歌を聴いてみんなでふるさとを思える気持ちがあると信じられるうちは幸せだと思う。

音楽があれば、他のことを忘れられる。それは逃げではなく処世術として、現実に向き合う力かもしれない。
春イコ

春イコ