chaooon

インポート、エクスポートのchaooonのレビュー・感想・評価

インポート、エクスポート(2007年製作の映画)
3.8
ウルリヒ・ザイドル作品をもう一本。
こちらは「パラダイス」シリーズではないけど、ジャケのデザインが似てるので、レビュー並べてみる😋

🇺🇦看護師としてウクライナで働くシングルマザーのオルガ♀
🇦🇹オーストリアで警備員を解雇されたニートとなったポール♂

それぞれ国では生活のための十分な金銭を稼ぐことができずに国を出ることに。
♀女は出稼ぎのために🇺🇦→🇦🇹へ
♂男は義父の仕事について逆に🇦🇹→🇺🇦

出会うはずのない、すれ違いの2人🔁
これが映画の展開と共に、きっと何か繋がりが生まれてロマンスなんか生まれちゃうのかな?なんて安易に考えて観てたら、そんなロマンスなんてとんでもない🙄
出会う事のない2人なのに、リンクするのは現実の厳しさや憤り、やるせなさ。
社会の理不尽さ。貧しが息苦しい。

支払われるべき賃金の不当な滞納。
雇用主の機嫌で突然の解雇。
義父の身勝手さ。
バンに密集する夥しい数の子供たち。

貧困から少しでも逃れたくて、国を出て希望を抱くけど、結局はどこに出ても同じ。
西も東も、男も女も、皆んな一様。
希望を抱いては、打ち砕かれて、結局は死に向かって進んでいるだけの人生。

お金に翻弄されて、消費されていく女性たちも、なんか痛ましくもあり、滑稽でもある。

オルガの方は可哀想で気の毒なんだけどさ、男のポールの方がとくかくクソ野郎🙄
失業してて、借金して、その癖、態度がデカい🙄
彼女にもしつこく嫌がらせして腹立つわ😂
いや、よく考えてみるとこの監督の作品、あんりまともな人間が出てこないな🤭

パラダイスシリーズでは結構突き抜けた性表現が、なんだか滑稽で笑える部分もあったけど、こちらは身体を曝け出す女性たちが、若くて美しいから、普通にエロエロであった🤭
それでもやっぱり、どことなく笑いを誘うシュールさはあったかな😋
オルガがオンラインセックスのバイトを始める際に、紙に書かれた卑猥な言葉を音読して、発音練習🔞
ここで!?っていうタイミングのキャットファイトも凄まじい🤣

パラダイスシリーズほど、ライティングや色味は洗礼されてない感じはするけど、なんとも言えない柔らかさや、やっぱり画面構成にセンスが溢れてるなぁ✨✨

雪景色、立ち並ぶ建物、女性の白い衣服❄️
一面白で埋め尽くされた画面構成。
寂しげで陰鬱な感じだけど、どこか神秘的で美しい✨✨

引きで集団を撮るショットとか、真正面のアングル。
割と多用してるんだけど、単調さをあんまり感じなくて、ことごとくカッコいいんだよなぁ🤤✨✨

おじいちゃんとオルガがダンスを踊るところ好きだったなぁ😌✨

この監督作品は極めたいかも〜🤩
chaooon

chaooon