かつを(@katsuwow)

おもちゃ 虐げられる女たちのかつを(@katsuwow)のレビュー・感想・評価

3.5
シネマート六本木にて

女優のチャン・ジャヨンが自殺した時に残した手紙から、韓国芸能界で性接待が行われている事実が明るみになった。その時、過去に自殺した女優についても可能性があるのでは?とネットでも話題になったが、女優だけに留まらず、暴露系の話はアナウンサーまで広がっていることが少し検索するだけでも出てくる。

映画の冒頭にしつこいくらい「フィクション」だと断っても、おそらく製作者は身の危険も感じただろうなと思う、かなりリアルな作品だった。クラウドハンティングも納得。よく作れたと思う。

才能はあってもなかなか芽が出ない女優が、事務所の社長の指示で偉い人に会ったら取材が入り、一緒に酒を飲んでグラビア、抱かれてCMとか、分かり易すぎるくらい。韓国の2010年の女優人権調査みたいなもののデータに寄れば62.8%が性接待の声がかかったとかテロップに出た時はマジか⁈と思った。これ、韓国だけの話じゃないよね…きっと。

話は自殺した女優によって韓国芸能界の性接待の実情を暴こうとする女性検事のトラウマとの戦いでもあるが、韓国映画は公権力の腐敗もしっかり盛り込むので、いかに下衆な野郎たちになし崩しにされるか腹が立つこと請け合いだ。

主人公を演じたミン・ジヒョンさんが文字通りの体当たりの演技で痛みと悲しみが突き刺さる。接待シーンは泣けてしまった。

小さなスクリーンだったけど人が入ってた。レイトは付くと思うけど、見て欲しい作品だったな。