このレビューはネタバレを含みます
めちゃくちゃ魅入った。
序盤に出てくるちぎれた写真と終盤に出てくる写真たての写真が同じだったので、男は一人だとみた。
暴力的でだらしない自分(愛人と密会を重ねるような)と、理想かもしれないが抑圧されている自分、その両方のせめぎ合い。
そこに欲望にまつわるイメージや、過去の記憶が差し込まれる。
これは精神が壊れている(多人格)ともとれるし、片方は妄想に過ぎないともとれる。
結局は少し重なりながらも妻のもとに帰ったということなんだろう。
それでも、欲望を抑えられず、新しい鍵を手にして「今夜は出かける」となったところで、ラストのアレ…。
でも、蜘蛛が何を意味するのか、どうもわからない。
アダムの講義の内容もこの作品の謎を解くヒントがつまっていた。
(でも、解ききれない…w)
2014.7.26
公式サイトのネタバレ見たよ。
蜘蛛は母性だと、なるほど。(逃れたくなる方の母性ですね。)
ジョゼサラマーゴの原作はこれも、ブラインドネス(白の闇)もどちらも面白かった。