本格時代劇の佳品です。
『柘榴坂の仇討』は、浅田次郎の短編小説の映画化。
幕末から明治にかけて、激動の時代に士道を貫いた男達の物語。
因縁を抱えながら、2人の男が心を通わせるラストが切ない。
主要な登場人物は創作ですが、柘榴坂は実際の地名です。
東京の品川高輪にある緩やかな坂。
150年で本当に大きく変わりましたね。
安政7年、桜田門外で大老の井伊直弼が水戸藩士により暗殺された。
警護にあたっていた志村金吾(中井貴一)は切腹を許されず、あだ討ちの密命を受ける。
大恩ある主君、井伊直弼を救えなかった志村金吾は、生き残っている暗殺者を追い続けた。
金吾が宿敵を捜し続けて、13年が経過する。
元号はとっくに明治に変わっていた。
しかも、明治6年、政府より仇討ち禁止令が出されている。
世の中の流れに完全に取り残されるなか、志村金吾はようやく佐橋十兵衛(阿部寛)を探し出すことができた。
佐橋は、人力車の車夫をしていた。
志村は、佐橋の人力車に乗り、柘榴坂で対峙する…