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繕い裁つ人のyのレビュー・感想・評価

繕い裁つ人(2015年製作の映画)
3.3
三島由紀子監督作品では、北海道シリーズ以外の作品を観たことがなかったので、
楽しみにしていました。
デパートの営業マンを演じる三浦貴大はとある洋裁店の技術を高く評価し、商品をデパートに置きたい。
という交渉の為、お店に足を運ぶうちに、
洋裁店の技術の虜になってしまい、
そのお店を必要とする人々と出会う。
そして、服に対する気持ちを確かめる為、
一度服の世界から離れる決断を行う。

この作品のテーマは
『一生着ることのできる服』
と思いました。
先代から引き続いて利用されるお客様。
お客様との些細なやり取りから書き記したのであろう『お客様ノート』は
街の人々に愛される理由が垣間見えます。

また、大人達の夜会の様子から
今回のテーマ『一生着ることのできる服』に沿って物語が展開されました。

実際にその服を年齢、身体の変化に応じて何度も仕立て直し、
『一生着続けた人』を映し出したことがこの作品の良いところだと感じました。

涙も感動もないけれど、
服に対する気持ち。技術に対する気持ち。
ちょっぴり感じる人のぬくもりと静かな時間を大事にしたいと思えた作品でした。

個人的には、カフェのケーキを食べるシーンとミシンの縫う音が好きでした。
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