多額の製作費をかけずとも良質な脚本があれば十分に良質なホラー映画が作れるというお手本のような作品。
いかにもB級感漂う邦題のサブタイのせいでずっと見送り続けていたのを後悔。
呪いの鏡がテーマと聞けば真っ先にキーファー・サザーランドの「ミラーズ」を思い出すが、あちらはド派手に人がどんどん死んでいく中、本作は中盤以降まで誰一人として登場キャラが死なないというホラー映画にしては異色の手法。
呪われた鏡のせいで両親を失った姉弟。11年後に仇討ちにアンティーク・オークションで落札された鏡を壊そうと試みる・・。
ほぼほぼ家の中での撮影、メインキャストは4+1人なのに、しっかり最後まで見せてくれるストーリー展開。
11年前に実際に何が起こったのか?を徐々に解きほぐしていく構成で、現在進行形の姉弟の行動と過去のシーンの切り替わりが実にスムーズ。さらには、終盤では現在と過去がオーバーラップ→シンクロする見せ方が素晴らしい。
子供時代の姉弟を演じた子役二人が、これまた上手い。
特殊メイクやスプラッター描写無しでも、カラーコンタクトだけでも十分に怖い演出は出来るものだとつくづく感心。ズンズンと腹の底に響くような重点音のサウンドもクライマックスの怒濤の展開に向けて非常に効果的。
監督&脚本が後に「ドクター・スリープ」を手掛けたマイク・フラナガンである事を鑑賞後に知って大いに納得。