TaiRa

赤線玉の井 ぬけられますのTaiRaのレビュー・感想・評価

赤線玉の井 ぬけられます(1974年製作の映画)
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溝口の『赤線地帯』とセットで観たいね。女の見せ方ハードボイルド。

売春防止法で赤線が消える最後の年、最後の正月の娼家、女たちの群像。監修も務めた滝田ゆうの挿画が良い。宮下順子とヒモの蟹江敬三の「女と男」やってる感じ最高。蟹江の女を不幸にするタイプのカッコ良さ。操立てた宮下が男に言い寄られて隅田川に飛び込むまでの流れ美しくて最高。姫田真佐久の夕陽の映し方マジで素晴らしい。雪原の中、真っ赤な夕陽の逆光で汽車が走って来るショットがちょっと驚異的な美しさ。旦那貰って足抜けした芹明香の気怠いムードがまた良い。フラっと店に戻って来て客取っちゃう時の彼女の台詞とか、照明の当たり方とか、もう堅気とは別の世界で生きて行くんだなっていう感じ。丘奈保美の記録破りの無意味さがどんどんスポ根みたいになってて笑う。火鉢の使い方な。そもそも苦海にいた女たちが更にその向こう側へ行っちゃう話。原作者の清水一行って竹内由恵アナの祖父なんだって。
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