YohKitajima

四畳半襖の裏張りのYohKitajimaのレビュー・感想・評価

四畳半襖の裏張り(1973年製作の映画)
5.0
一晩のセックスの中に、大正7年という動乱の歴史がはめ込まれる時間の解体の壮大さが、ラストカットのただ淡々と天井叩いてるあたりでまた元の緩やかな日常の時間に収束していっちゃような感覚があった、あの感じは良い。

戦地に旅立つ幼馴染のために、自分の陰毛を包んで制服のポケットに入れてやる芸者、それを受け全力疾走する二等兵くんは泣ける。

行為中の男が「長くなるかもな」的なことを言ってる間に、先輩芸者が「男に長引かせないように」と後輩芸者に膣で巻笛を吹かせてトレーニングする場面が映されるのとか、女がイキそうになった時に、噺家が「首吊りは女がイく感覚と同じらしい」と無理やり首吊りさせられる場面が挟まるのとか、性行為の間の早く過ぎ去る時間の中に、どうでも良い駄弁り的なゆったりと流れていく時間感覚が同時にあるのが、良いよなあ。
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