りゅっくサック

ポリス・ストーリー レジェンドのりゅっくサックのレビュー・感想・評価

4.0
【ベテラン刑事ジョンは娘ミャオの呼び出しで、工場を改装したウー・バーを訪れる。
仕事に追われ家庭を顧みなかったジョンの親子仲は険悪だった。
そんな中ミャオを含むバーの客を人質にした立て籠り事件が発生し、ジョンは拘束されてしまう。
ジョンは人質事件の情報を集めていくと、5年前のとある事件の悲惨な因果が関わっていたことを知る。】

ジャッキー世代ではなく、ジャッキーと言えばラッシュアワー(1998)やシャンハイ・ヌーン(2000)、香港国際警察/NEW POLICE STORY(2004)が好きで
どちらかというとハリウッドナイズなジャッキーを多く見てきた方でした。

ポリス・ストーリーの名がついてますが、大味なTHEジャッキーのアクション映画を期待すると肩透かしなのかも。

前作ライジング・ドラゴン(2016)を見て 「これでアクション引退しちゃうの…?」と残念がった良くも悪くもジャッキーにわかな自分は「ジャッキーいけんじゃん!」と手のひら返しをしてしまいました。

ストーリーは密室サスペンスで、敵の手下をバッタバッタと転がすジャッキーもおどけたジャッキーも無く、情けなくも慈悲深い刑事を演じています。
これなら日本公開が2年以上遅れた、ザ・フォーリナー/復讐者も楽しみになるってもんですよ。

今作も吹き替えは石丸博也さんで、今作ではトーンを落としたジャッキーを見事に演じられています。

ストーリーは先が読めそうで読めない、5年前のある悲しい事件の謎が複雑に絡み合う。
何が正義で何が悪か?というサスペンス+悲哀に満ちたジャッキー=いいねっ!という。
時おり挟まれる未来予知的なイメージ映像も緊迫感を持たせていて大好きでした。

中国で演技派と言われているリウ・イェが暴力性も孕んだ知的な悪役。
お笑いコンビアルコ&ピースの平子さんがやるネタ意識高い系瀬良社長に似ていて(笑)
真実が明らかになるラストの感情の移り変わりが見事だった。
吹き替えは堀内賢雄さん、声優界の大御所対決も見どころ。

ジョンの娘ミャオ役にジン・ティエン。
この作品以降グレートウォール(2016)、キングコング:髑髏島の巨神(2017)、パシフィック・リム: アップライジング(2018年)と活躍めざましく
第二のファン・ビンビン、世界的なアジアンビューティーになりつつある彼女がかなりキュート。

「仕事に追われ家庭を顧みなかった男」はまさにジャッキー本人で、撮影現場を見学していた息子ジェイシーの前で張り切って無茶するジャッキーに涙目。

今作はジャッキー色が薄味で「ジャッキーでなくても成立する」と言われれば
確かにアクションは暗くて見づらいし、さらに今風なスローモーション&カット多用な演出。

それでもジャッキーの懺悔とこれからの展望として見ると「ジャッキー、ウォーアイニー…」と言わざるを得ないです。
りゅっくサック

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