クリストフォルー

あいときぼうのまちのクリストフォルーのレビュー・感想・評価

あいときぼうのまち(2013年製作の映画)
4.4
インディペンデントな映画ではあるが、日本における原子力・原発の歴史を、庶民の目線から複層的に描き出した手法は見応えがある。
太平洋戦争末期と高度経済成長期、そして3.11前後。それぞれが、日本人が忘れ去ってはいけない歴史のキーポイントだ。
戦中の部分は、劇場版にもなる『太陽の子』と表裏一体という感じだが、経済成長から置いてゆかれ、『夢もチボーもない』地方都市が“原発マネー“に侵されてゆく様は、福島に限らない日本の黒歴史だ。そして、コロナ禍以前の日本は、3.11が生みだした被災者や避難者をバッシングする社会だった。
いま進められている《入管法の改悪》も、難民だけでなく、日本人にとっても、この国をさらに住みづらいものにするものだと感じる。
『愛と希望』をこの国に取り戻すための、わたしたちが踏みとどまるべき原点を、この映画は描いている。観て感じてほしい。
クリストフォルー

クリストフォルー