あいときぼうのまちの作品情報・感想・評価

あいときぼうのまち2013年製作の映画)

上映日:2014年06月21日

製作国:

上映時間:126分

3.3

あらすじ

あなたの家族の瞳には、あの頃のように明るい未来が見えていますか。1945年、福島県石川町ではウラン採掘が行われ、1966年、福島県双葉町では原発建設反対運動が潰され、2011年、福島県南相馬市で暮らす家族に津波と原発事故が押し寄せた。この映画は、1945年、1966年、震災前の2011年、震災後の2011年が交差して描かれる。四世代一家族のそれぞれ個人は、それぞれの時代で、もがき、苦しみ、自分の…

あなたの家族の瞳には、あの頃のように明るい未来が見えていますか。1945年、福島県石川町ではウラン採掘が行われ、1966年、福島県双葉町では原発建設反対運動が潰され、2011年、福島県南相馬市で暮らす家族に津波と原発事故が押し寄せた。この映画は、1945年、1966年、震災前の2011年、震災後の2011年が交差して描かれる。四世代一家族のそれぞれ個人は、それぞれの時代で、もがき、苦しみ、自分の生き方を見出そうとする。

「あいときぼうのまち」に投稿された感想・評価

このレビューはネタバレを含みます

 1945年の太平洋戦争末期、福島原発が建設される間際の1966年、2011年と2012年にかけての家族が原発にふりまわされる話。

 出だしはいろんな時代を1シーンで入れ替わっていって時代が入り乱れるので混乱しますが、時代によって画面の色調がブルーだったりイエローだったりセピア色だったりと映像に工夫がされていて、見て行くうちに登場人物の関係性もわかっていきました。

 1945年は核爆弾の研究のためにウランを採掘する学徒と監督する軍人さんの関係。1966年では福島原発誘致に賛成か反対かで揉めている住民たち。そんな中、反対派の娘さんと彼氏さんとの関係が描かれ、なかなか就職が決まらない。2011年では祖母がどうやら浮気しているのではないかと疑う孫。2012年では家族崩壊してしまい、身体を売っている孫と被災地の募金を集金してそれを自分のご飯代にしている男の子との関係を描きつつ、津波で亡くなった祖母への思い。
 同時進行で描かれるためにシーンが切り替わるたびに物語への没入が途切れてしまって退屈さを感じてしまいました。演出も静かに淡々に進むので余計にそう感じたのかもしれません。現代パートで主人公が被災地の汚染された葉っぱを東京の空に巻くとか印象的な盛り上がりになりそうでしたが、静かに描かれていきました。
 物語が進むにつれてそれぞれの時代が繋がっていき、1つの家族の物語に集約されていくのとかはよかったです。

 現代の主人公は祖母が困ればいいと車のキーを捨ててしまいますが、それが原因で津波に飲まれてしまう。その傷を負って生きている。けれど福島で作られた電気が東京に送られて、事故があって自分たちはこんな生活になっているのに、東京の街はもうすっかりと被災地を忘れてしまって、あるテロを実行しようと怒りの行動をするけど。祖母が最期に人助けをしていたことを知る。
 それを知り自分と祖母の差を痛感して「会いたいよ」と涙する。そして被災地でホルンを吹く。それが時代を超えて繋がるという演出は映画的で面白かったです。 

 震災の悲劇や福島原発への批判は確かに訴えかけるものがあってよかったですが、もっと深く強烈に鮮明に掘り下げてくれたほうが個人的には面白かったと思いました。
福島に住む4世代の人々が、時代・現実に翻弄される話。
年代が交錯しながら物語が進むので、多少分かりにくい部分はあります。が、構成としては良かったです。また、それがラストシーンにもいかされていて良かった!


ただ、実際の出来事を扱うのであれば、フィクションよりノンフィクションの方がいいなー。ある「事実」に関してメッセージを伝えるのであれば、ドキュメンタリーの方が効果的だと思うんです。ただの持論です。


井上淳一さんは、このあと『大地を受け継ぐ』という震災に関するドキュメンタリーを撮ってらっしゃいます。良かったです。それについてのレビューはまたあとで。
a2y6a

a2y6aの感想・評価

4.0
ラストの音楽が天上から降ってくるような演出に感動した。
邦画はかろうじて、単館作品でギリギリ繋がっていると改めて思う。
この映画の素晴らしいところは説教くさくないところ。
原発を反対でも賛成でもなく描く…最近は反対を描く話が多いけど、やっぱり観るものにも考えさせてほしいからね。
この映画では世代を越えた人間の複雑な思いを中心に描いているので、新しい描き方だなと思うにひひ
脚本はかなりいい。
思想は人それぞれだから、書かない。

僕はリスクあることは言わないので。
megumi

megumiの感想・評価

2.9
夏樹陽子さんが良かった!

3つの時代の物語を次々とザッピングする構成は好きなんだけど、
やはりどれもストーリーが浅くなっちゃってて、
結果的に物足りなかったかな。

怜役の子がちょっと受け付けなくて、きつかったです。
EnzoUkai

EnzoUkaiの感想・評価

3.2
大島渚作品「愛と希望の街」と作品名(音)が同じなのでリメイクか翻案かと思ったけど、やはりまったく関係がないとは言えない。通底する絶望感は意識されてる。
この日本という国に生きるのは諸行無常の悟りか諦念こそが必要なのではないか?という自虐的な気持ち良さがある。でも映像作品が時代を真っ向から見据え、多少のファナティックな一面があるくらいの方がいいと思う。そもそも作品の評価は観る者に委ねればいいのだから。
テーマ曲が千のナイフで一瞬、お!、って思ったが劇中音楽は榊原大だった。
鳩さん

鳩さんの感想・評価

3.5
この映画全編通して原発や3.11についてのメッセージが込められてる。遊び無し! アクション映画ならずっとアクション!

すごい!……すごいけどずっと説教受けてる感じだからすごい疲れた。言いたいことは分かるし考えさせられたけど、この訴えは映画という媒体が本当に正しいのかね? 映画を娯楽と考えてる自分にとってはどうもソリが合わない映画だった。

東電の名前出して宣伝されないから全然客入らないとか言ってるけど宣伝してもそんな変わらないかと。興味無い人は見ないよ。映画の中の「喉元過ぎれば熱さを忘れる」をまさに体現してる。3.11のことはもう過去のこと。いまさら3.11撮ってもどうせ似通った内容だと思われるし(この映画はそんなこと無かったけど)、同じ値段ならアナ雪見たいしね。

でも本当頑張ってる映画だと思うから是非見て欲しい。
1945年、1966年、そして震災を挟んだ2011年と12年。
福島県浜通りに暮らすある一家の物語を、それぞれの世代の15歳を主人公に描く。
戦争末期には原爆開発のためにウラン鉱脈を掘り、60年代には原発設置を巡り街が引き裂かれる。
そして2011年、3.11の原発事故と津波によって、一家は故郷を失う。
原発事故という単発のイッシューとしてでなく、戦時中のウラン開発にまで遡って福島と核の宿命的な関係を、核に翻弄されたある家族の歴史と絡めて描くのは面白い試み。
力作だと思う。
ただ非常にリアルな題材を扱いながら、心が震えるほどには突き刺さってはこない。
それは前面に出ている核の存在が、登場人物の葛藤の遠因ではあるものの、直接的な問題ではないからだろ。
基本15歳の視点で描いた事は、プラスとマイナスがあったと思う。
chi

chiの感想・評価

3.6
建設反対から震災による爆発、そして立ち入り禁止の現在まで、原発に翻弄されつづける家族を描いた作品。戦時中から震災を経た現在に渡り時系列が行ったりきたり。その複雑な構成には、どれほど長いあいだ福島の人々が原発と向き合ってきたのかということを痛感させられた。「未来は明るいかなあ」って海に向かって叫ぶ女の子の声が頭から離れない。