きーとん

イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密のきーとんのネタバレレビュー・内容・結末

4.8

このレビューはネタバレを含みます

史上最強と言われた暗号、エニグマを解読した、アラン・チューリングの物語。

天才過ぎる故に、反感を買う。しかし、クリストファーは良く見ていた。
天才ではない自分は天才を潰さないよう、良く見れる人間でありたい。

イギリス中の頭脳をもってしても解読できないエニグマをうみ出したドイツに驚愕。そして、その頭脳たちを事あるごとに糾弾する幹部に現場は腹が立っただろう。

とてつもない戦果を挙げたチューリングは、同性愛というだけで、罪になり、当時の法は、似非科学で真の科学者を治療し挙げ句、チューリングは自殺してしまった。

同性愛、異性愛、そうでなくても誰もが結果を出し、全力で戦った。
チューリングは同性愛者かもしれないが、イギリスの英雄といっても過言ではない。
しかし、秘密を扱っていたから、無かったことになった。
多くの目にみえないものの積み重ねによって、目に見える成果がある。
目に見える成果は氷山の一角だ。

イギリスのインテリジェンス力はMI6が源だが、チューリングの成果無くして、MI6は無かった。
それに、一人の数学者がインテリジェンスを扱うリテラシーを持っていたのも興味深い。国民全員のインテリジェンスリテラシーがあったからこそ、イギリスは勝てたのではないか。
日本も独自の情報力が必要だと感じた。
クラークの同僚が漏らした一言からエニグマを解読したが、飲み会のようななんでもない日常にもヒントや、有益な情報は転がっていると思う。

人を、物事を良く見ないといけない。

あなたが普通じゃないから、世界はこんなにすばらしい。この言葉は刺さった。

チューリングは時代に殺されてしまったが、クラークという唯一といっても良い理解者が居たこと、長い年月を経て、恩赦と称賛が与えられたことは、チューリングにとってわずかながらの救いになれば良い。

生きた時代が悪かった。
きーとん

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