あつお

イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密のあつおのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

コンピュータの産みの親、アラン・チューリングについての話。
舞台は第2次世界大戦。ナチス・ドイツが使用したローター式暗号機、エニグマについて。当時イギリス軍は、ドイツ軍からの激しい攻撃にさらされていた。その攻撃を事前に予期する手段は無線の傍受。戦時中の戦略、行動は全て無線通信によって行われていた。その媒体となるのは地上の空間。物理的には誰でも監視可能なのだ。しかし、その通信内容は暗号化されている。平文からの変換には特定のルールが存在するが、それらは毎日リセットされる。イギリス軍が人海戦術により、そのパターンを全て分析すると、何千年も要してしまう。つまり、暗号解読には革新的な方法が必要なのだ。そこで、アラン・チューリングはマシンによる暗号解読を試みた。現在のコンピュータの元となる機械だ。しかし、アラン・チューリングは根っからの技術者タイプ。数学には関心があるものの、人間関係はあまり得意ではない。周囲に馴染めずに孤立、ハメられそうにシーンも。しかし、良き理解者ジョーンと行動を共にするうちに、チームでの成果を重視するようになる。冗談を言ったり、プレゼントをしたり、周囲に馴染もうと努力を見せる。チーム全員の協力を得つつ、多くの苦労を重ねながらチューリングマシンを完成させていく。
技術は戦争と共に、数多くの人間の努力により進歩していくもの。現代の革新的な技術の数々には、このような壮絶なドラマがあるのだと、しみじみ感じた。才能を伸ばすには努力が不可欠だという「成長マインドセット」を育める。是非ご覧ください。
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